よしなしごと

稀代のヘンタイ定家のよしなしごとをつれづれに

ヤツの美意識 定家様 その1

f:id:swanwan023:20170522192346j:plain

元祖 ヘタウマって可愛い(・∀・)!を広めた人

定家は和歌の人として神格化されたこともあり、

今にいたるまでわりとたくさんの書がのこされています。

 

古今和歌集〈藤原定家筆/〉 文化遺産オンライン

 かなり癖があって、けして書道の世界では美しい書という評価ではない。

 

 実はこの時代の美しい文字ってこんな感じ。

 

石山切(貫之集下) 文化遺産オンライン

墨の濃淡にリズムがあって、流れるような美しさです。

美しい音楽を聴いているかのよう。

 

それにくらべて、定家の筆跡は

太い線と細い線のコントラストがはっきりしてて、なんとなくぽっちゃりしてる。

そして一つ一つの字がつながってない(これって、当時はかなり異色)

漢字とかなとの大きさにあまり差がない。

わりと字が大きい。

じつは本人も自分の筆跡がアレなことは自覚していたようで、

幼少期にきちんと習ったにもかかわらず書では挫折したけど、

俺の字は本を書き写すのに最適な書き方なんだぜ~といっています。

(このことについては後述の予定)

 

この特徴的な書はその後、たくさんの人に真似されて

定家様(ていかよう)って名前がつけられてます。

古い書物を手にとってこの手の文字が出てきたら、まず鎌倉期以降のものですね、

って判定できるぐらい写本の流れを変えているのです。

 

じつは現代でも

この定家様をいろいろなところで目にしています。

化粧品とか。

そしてフォントにも♡

新しいタイポグラフィの表現を可能にするために 日本語プロポーショナルかなフォント かづらき® の取り組み

どことなくヘタウマなんだけど読みやすくて可愛い(・∀・)!

枕草子の「をかし」の可愛いはcuteなんだけど、それとは違う。

適当な英訳がみつからない日本独自の価値観でもある「ヘタウマ」

ヘタウマって可愛いんだよって

こんな価値観をつくったというのもすごい。