ヤツの美意識 定家様 その1
元祖 ヘタウマって可愛い(・∀・)!を広めた人
定家は和歌の人として神格化されたこともあり、
今にいたるまでわりとたくさんの書がのこされています。
かなり癖があって、けして書道の世界では美しい書という評価ではない。
実はこの時代の美しい文字ってこんな感じ。
墨の濃淡にリズムがあって、流れるような美しさです。
美しい音楽を聴いているかのよう。
それにくらべて、定家の筆跡は
太い線と細い線のコントラストがはっきりしてて、なんとなくぽっちゃりしてる。
そして一つ一つの字がつながってない(これって、当時はかなり異色)
漢字とかなとの大きさにあまり差がない。
わりと字が大きい。
じつは本人も自分の筆跡がアレなことは自覚していたようで、
幼少期にきちんと習ったにもかかわらず書では挫折したけど、
俺の字は本を書き写すのに最適な書き方なんだぜ~といっています。
(このことについては後述の予定)
この特徴的な書はその後、たくさんの人に真似されて
定家様(ていかよう)って名前がつけられてます。
古い書物を手にとってこの手の文字が出てきたら、まず鎌倉期以降のものですね、
って判定できるぐらい写本の流れを変えているのです。
じつは現代でも
この定家様をいろいろなところで目にしています。
化粧品とか。
そしてフォントにも♡
新しいタイポグラフィの表現を可能にするために 日本語プロポーショナルかなフォント かづらき® の取り組み
どことなくヘタウマなんだけど読みやすくて可愛い(・∀・)!
枕草子の「をかし」の可愛いはcuteなんだけど、それとは違う。
適当な英訳がみつからない日本独自の価値観でもある「ヘタウマ」
ヘタウマって可愛いんだよって
こんな価値観をつくったというのもすごい。